ベルギーでのオススメイベント情報です。 |
BANAD Festival 〈バナッド・フェスティバル〉 普段公開されていないアールヌーヴォー建築・内装が見学できる貴重なイベント |
2年に1度ブリュッセルで秋に開催されていたアールヌーヴォーとアールデコを巡るイベント『Biennale Art-Nouveau/Art-Deco(ビンナーレ・アールヌーヴォー・アールデコ)』が、『BANAD Festival』として生まれ変わり、毎年春に開催されます。(BANADはBrussels Art Nouveau & Art Deco Festival の略) |
【2011年度のレポート】 2年に一度ブリュッセルで開催されるアール・ヌーヴォーとアール・デコのイベント「BIENNALE Art Nouveau〈ビエンナーレ・アールヌーヴォー〉」。今年は第6回目の開催で、アール・ヌーヴォーの巨匠、ヴィクター・オルタ生誕150年を記念して、特にオルタの建築物を中心に、なんとこの10月4週末毎、合計67軒も特別公開されています。 ユネスコの世界遺産に登録されているオルタ4部作はもちろん、いつもは外観しか見ることのできない建物、さらには、現時点でそこで生活している、住んでいる人のいるプライベートな建物の内部まで見学することが出来るのです。アール・ヌーヴォーやアール・デコに精通していなくても、見るだけでも楽しいこのイベントをお見逃しなく! 公開された建物を見学してきたので、いくつかご紹介します。 |
・Hôtel van Eetvelde Avenue Palmerston 4, 1000 Bruxelles レオポルド二世の片腕だった政界の大立者ヴァン・エートヴェルド男爵がオルタに設計を依頼したこの建物は、まさに、オルタのマスターピース!まさに世界遺産です。 エントランスを入り、半階上がった八角形のレセプションホールになっている邸内中央の天井が、ガラスのドーム状になっていて、まさにガラスのクラウン!目を見張る美しさです。 更に、このレセプションホールを囲んで階段が設置されており、中央から各部屋へと流動的に続きます。 |
サロンとなっている部屋は、グリーンで統一され、曲線が美しい家具類がしつらえてあります。家具はすべてオルタのデザインであり、家具等に使われている木材は、すべてコンゴ産です。 特筆すべきは、むき出しの鉄骨やガラスというこれまで産業に使われていた素材をこれほどまでに華麗に優美に仕立て上げたことでしょう。オルタの息遣いが感じられる作品です。 |
・Quaker House Square Ambiorix 50, 1000 Bruxelles ここはGeorge Hobéがデザインし、1899年に建てられたものです。家具職人の息子のHobéらしく、内部インテリアの材木とデザインの美しさからも、そのこだわりが伺えます。 |
ダイニングルームの内装では、いわゆるアール・ヌーヴォーらしい曲線美が表現されており、そのディテイルに至るまでの美意識を感じます。 |
そして、この建物で一番特筆すべきは、「金唐革紙」が壁紙として使われていることでしょう。ガイドツアー(フランス語)の方も、その部分だけは、「KIN-KARA-KAWA-SI」と発音し日本製ということを紹介していました。 こんなところで、金唐紙に出会えるとは!とても驚きです。 アール・ヌーヴォーの時代には、いわゆるジャポニズムの影響も色濃くあった証ですね。 |
・Maisons Privées Avenue du Castel 21 et 19 - 1200 Bruxelles こちらの双子メゾンは、建築家 Raphaël Lambinの作品で、現在、住居となっているところです。 まさにアール・デコらしい建物で、入口のモザイク装飾がとても素敵です。黒とGoldのセラミックで出来ています。 |
中に入る玄関ドアのアーチも直線で表現されており特徴的です。 エントランスホールまでの廊下の床もモザイクですね。 エントランスホールのところには、またしても、直線的なアーチスタイル。そして、その両脇には、Goldで縁取られた作り付けの飾り棚がとても印象的でした。 |
リビングの大きな窓には、2か所、窓枠に沿って縦に照明が入っており、この直線が窓の外の庭を切り取り、額縁で飾っているように見えます。 人が住んでいるということもあり、限られた空間とお部屋だけの見学でしたが、とても興味深く、アール・デコを堪能できました。 |