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Cantillon Brewery カンティヨン醸造所 年に一度の公開醸造見学(Public Brewing Session)の見学レポート *2022年は11月19日開催 |
ブリュッセル南駅からほど近い所に、家族経営で1900年からグースビールの醸造を行っている「カンティヨン醸造所」があります。通常はグーズビールのミュージアムとして公開されているエリアを見学する事ができますが、今回は2014年度の公開醸造見学〈Public Brewing Session〉をご紹介します。(グースビールについてはこちらの連載記事をごらんください。) 大通りから外れた小道沿いに、年期の入った工場の様な佇まいの醸造所があります。この日は年に一度の公開イベントという事もあり、通りまで人が溢れていました。2014年は11/15の1日、朝の6:30(!)〜17:00頃迄、予約の必要はなく、時間によって、英語、フランス語、イタリア語、オランダ語で場内見学のガイドツアー、それ以外にも時間毎にイベントの様なものも組まれていたようで、特別な現場を見ようと、ベルギーのみならず外国からも集まる人々でいっぱいでした。 ここでは、ベルギービールを語る時に外す事の出来ないランビックビール(一般的な人工酵母を加えてつくられるラガーともエールとも違う、自然発酵のビール)のみを作っており、このカンティヨンは、そのランビックの代名詞ともいえる銘柄です。このブリュセッル地域のみに生息する野生酵母を使うもので、世界中のビールの中でも、特にユニークなビールです。また、鮮度が重要な一般的なビールと違い、醸造後、数年(最低1年)は寝かす、ものによっては更に年期の違う数種を混ぜ合わせるという、およそ考えられるビールの常識を覆すものでした。 ツアーは、ランビックビール特有の酸味のある香りの充満する建物の1階から始まり、3階の屋根裏部屋まで上って見学していくもので、それぞれの製造の過程を念入りにガイドさんが(ジョークも交えつつ)説明してくれ、1時間を超えるボリュームでした。1階から2階にかけては、小麦を粉砕、濾過し麦汁を作る装置、銅でできた貯蔵タンク等が並び、通常のビール製造と変わらないようなもので、 年季の入ったマイクロブルワリーという感じです。その上の3階の屋根裏が全ての秘密の現場となっており、薄暗く古い木造の三角屋根の屋根裏部屋は、その屋根に等間隔に穴があいており外気が入ってきます。冷却槽の麦汁は吹きざらしになり、外から入ったこの地域特有の微生物により、自然と発酵が進みます。自然の気候環境に強く依存するものの為、醸造は冬期のみ、実はこの公開日はシーズン開始のタイミングに合わせて開かれているという事を見学中に知りました。 見学は一人7ユーロ(*2018年からは9ユーロ、下記参照)で、見学後にはカフェエリアにて1杯の試飲がついてきます。年期の違うものを混ぜ合わせた「グーズ」と、角砂糖で漬け込んで甘みを付けた「ファーロ」を頂きました。どちらも、ランビック特有の酸味が特徴的ですが、グーズはグレープルーツに似たフレッシュな酸味と、味の深みと、ファーロはより飲みやすく、まろやかな味わいでした。お土産コーナーでは、ここでしか買えないTシャツやポスターといった、カンティヨングッズ、そもそも流通の少ないビール各種が買えます。この日は人も多く、お昼頃に人気のクリーク(サクランボを漬け込んだもの)は既に売り切れていました。 普段からBrussels museum of the Gueuzeとして見学が可能ですので、ビールに興味のある方は是非訪問してみて下さい。 |
【Cantillon Brewery】 住所: 56 rue Gheude, 1070 Brussels Tel: +32 2 521.49.28 URL: https://www.cantillon.be/ 営業時間:月- 土 10:00~ 16:00 訪問の詳細:https://www.cantillon.be/visites 定休日:水曜・日曜 (その他の閉館日はこちら) 駐車場:なし (路面駐車可) 入場料:7ユーロ(ビール試飲1グラス分込み) (ガイドツアー付:金曜・土曜11:15~ €9.50) 【Public Brewing Session】 次回は2022年11月19日(土)に開催。 時間は7時~16時まで。 ツアー料:10ユーロ(ビール試飲1グラス分込) 詳細: https://www.cantillon.be/evenements?lang=en *変更する場合がありますので、詳細ページにて必ずご確認ください。 【ブリュッセルのホテル一覧はこちら】 |
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【関連ベル通スタッフブログ】 ・『カンティヨン醸造所見学』 通常の見学の様子です。もちろん見学の後は、試飲タイム!日本語での見学説明(紙面)もあり。 【関連記事】 ・『Moeder Lambic (ムダァ・ランビック)』 ブリュッセルでランビックやグースが飲めるおすすめのビアカフェ |
オリジナル記事:2015年9月 |
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